PP加工の種類と特徴
そもそもPP加工とは、紙の表面にフィルムを貼ることで、耐久性や美しさをアップさせる加工技術です。フィルムにはいろいろな種類があり、さまざまな風合いを表現することができます。PP加工の種類とそれぞれの特徴をまとめました。
クリアPP(艶PP・グロスPP)
クリアPP(別名、艶PP、グロスPP)は、もっとも一般的なPP加工のフィルムで、名刺にも使われることがよくあります。ビニールのようなつるつるとした質感が特徴です。
クリアPPは光沢のあるフィルムなので、光を当てると艶やかな仕上がりになります。何も貼らない場合に比べると発色も鮮やかになるので、明るいイメージを打ち出したい場合や、色味を強調したい場合におすすめです。
マットPP
マットPPも、クリアPP同様に比較的メジャーなPP加工のフィルムで、名刺印刷に使われることも多くあります。
一方、フィルムの特徴はまったく異なります。マットPPは、クリアPPとは反対に、光沢を抑えてしっとりとした印象を与えます。手触りもさらりとしていて、穏やかでシックな風合いです。
なお、光沢がないため、クリアPPほど鮮やかには発色しません。落ち着いた雰囲気の仕上がりになります。
ホロPP
ホロPPは、ほかのPPにはない「柄がある」という大きな特徴を持っています。トレーディングカードやシールのいわゆる「キラカード」が、ホログラム加工です。
ホロPP加工した紙に光が当たると、ホログラムの模様が光ります。柄は、星屑のようなものやハート柄、モザイク柄など多種多様ですが、どれも透明なので、下の印刷面が読めなくなったり、覆い隠されたりすることはありません。
ベルベットPP
ベルベットというのは、毛足の短い起毛素材の高級生地のことで、天鵞絨(ビロード)とも呼ばれます。ベルベットPPは、このベルベットのような高級感のあるしっとりとした肌触りが特徴のPP加工です。
マットPPの特徴をさらに強く打ち出したような雰囲気ですが、手触りはマットPPとは大きく異なります。指先に吸い付くような独特の手触りは、ベルベットPP独特のものです。
エンボスPP
エンボスPPも、ホロPPと同様に柄を持ったPP加工です。ただし、ホロPPのように明らかな模様がついているのではなく、表面の凹凸によって柄のような雰囲気が出せます。
エンボスPPを貼ると、凹凸のある特殊紙に印刷したような風合いになります。また、種類によっては、レザーのような質感を出すことも可能。手で触れた際にも凹凸がわかりますから、見た目だけでなく触った感触でも強い印象を与えることができます。