エンボス名刺とは
エンボス名刺は、紙面に立体感を与える技法を利用した名刺です。平面の名刺に特有の質感が加わり、他者との差別化を図ることができます。最初にエンボス名刺の基礎知識を解説していきます。
エンボス加工とは
エンボス加工とは、凹型や凸型の版を用いて印刷物に凹凸を付ける加工を指します。紙の厚みを部分的に変えられ、印刷部分が浮き出して見えるため、平面的な名刺に立体感を与えることができます。混同されがちですが、盛り上がりがある凸型はエンボス加工、逆の状態の凹型はデボス加工と呼ばれます。
「エンボス」の元々の意味は「浮き上がらせる」「型押しする」です。エンボスそのものの歴史は古く、クラッシックスタイルの手紙では、家紋などを表した封蝋のエンボス印が用いられていました。一般的には貨幣・皮・建築材などにも、エンボスの技法が使われています。重厚感があり、デザインに上質さと品格を加える加工として、さまざまな用途への使用が広がっています。
エンボス加工の主な種類
エンボス加工には、型を浮き上がらせるだけではなく、さまざまな技法があります。エンボス加工の主な種類には、以下のようなものがあります。
・深絞りエンボス加工:凹凸の形状や屈曲角度を調節し、緻密な表現ができます。
・微細エンボス加工:非常に細かな技巧を施すことで、光沢面のツヤ消しが可能となります。
・穴あきエンボス加工:浮き彫りと同時に微細な穴を開けられます。穴の大きさにより、光の通過量を調整できます。
ひと口にエンボス加工といっても、使う技法によってまったく異なる効果が与えられます。自社イメージに合わせたデザインを考えるうえでは、エンボス加工の種類を把握しておくことも必要です。
エンボス名刺の作り方と特徴
エンボス名刺は、凹型と凸型の版の間に用紙を挟み、圧をかけて作成されます。印刷物を凹凸の版に挟んで強くプレスすると、表面は浮き出し、裏面は凹んだような形状となります。このため、基本的には片面のみの加工となりますが、エンボス加工とデボス加工を組み合わせることも可能です。凹みをうまく利用し、裏側のデザインを考えてみると、面白い名刺となりそうです。
1枚の紙に凹凸加工だけで立体感を与え、優れたデザイン性を付けることができます。カラーに頼る必要がないため、ビジネス仕様やフォーマルな名刺にも対応できます。
高級感・洗練された雰囲気が漂い、受け取った人にひと味違う名刺として強い印象を残すでしょう。平面の名刺と手触りが異なるため、多数の名刺と混ざっても際立つ存在となります。小さな紙片に刻印が加えられることで、趣のある名刺が生まれます。