名刺のペーパーレスのデメリット
名刺のペーパーレスには多くのメリットがある一方、知っておきたいデメリットもあります。では、デジタル名刺のデメリットを見ていきましょう。
低いデジタル名刺の普及率
現在の日本では、デジタル名刺の普及率はまだ高いとは言えないでしょう。デジタル名刺の交換は、同じようにデジタル名刺を使っているか、デジタル名刺を使えるデバイスを持っている人でなければ交換ができません。そのため、デジタル名刺を使っていない人との情報交換に格差が生じます。そのため、紙の名刺も常に携行しておく必要があります。しかし、デジタル名刺の普及は確実に進んでいくと考えられます。
名刺の情報管理を一元化
企業や個人の多くが紙の名刺を使用し、デジタル名刺と紙の名刺が共存する現状では、名刺情報の一元管理には、情報の統一をはかることが不可欠です。そのため、受け取った紙の名刺をスキャンして、デジタルデータに変換する必要があります。また、デジタル名刺の統一フォーマットも確立していないため、デジタル名刺同士の仕様が異なるケースへの対応も必要です。
デジタル名刺の管理の安全性
安全で安定的にデジタル名刺を管理するには、通信障害やシステム障害に備えたデータのバックアップ、定期的なシステム検証の体制が不可欠です。
デジタル名刺は管理や社内の情報共有が簡単で、扱いやすいと考えられがちですが、システム障害などで一瞬にしてデータを喪失するリスクも生じます。そのため、常に名刺データのバックアップ、名刺管理システムや管理体制の定期検証も重要です。その作業のためには、システム管理などスキルのある人員の確保も必要です。これは、紙の名刺管理では必要のなかった技術です。この作業を社内で行うか、専門業者へ外注するか、支援体制を求めるかなど自社に適した方法を見つけましょう。
サーバー・セキュリティ
名刺管理の安全性には、データを保管するサーバーのセキュリティ確保も必須です。個人情報となる名刺データは、クラウド上で保管し、外部との連携で活用するという特徴があります。運用にはセキュリティ対策が重要となり、連携先企業の品質・検証も必要です。サーバーからのデータの送受信の暗号化(SSL化)、ログインの二重認証など、最低限のセキュリティ管理はクリアしておきましょう。
情報漏洩の防止
現在のデータ管理は、いかなるものであっても情報漏洩(ろうえい)の危険があると認識する必要があります。ハッキングやウイルス攻撃は、日常的に発生している危険です。リスクを最小限にとどめるため、強固な対策の構築は企業のモラルであり、コンプライアンスにかかわる問題です。個人情報が漏洩した場合は、会社が失う社会的損失は大きなものがあることを念頭に、セキュリティ対策に万全を尽くす必要があります。
ランニングコスト
名刺のペーパーレスは、デジタル名刺によるビジネスの効率化に貢献します。しかし、デジタル管理の安全性の確保、日進月歩のIT技術へ対応する人材確保、育成などのコストも発生します。ペーパーレス化が自社にもたらす費用対効果を検証し、効果的な導入計画を立てましょう。専門事業者からの支援や外部システムとの連携などの検討もおすすめします。