名刺とは、その役割と歴史

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投稿日:2019年12月02日  更新日:2021年05月31日

名刺とは、その役割と歴史

名刺とは、その役割と歴史

日本のビジネスは、あいさつと名刺交換からスタートします。名刺交換には、自己紹介や連絡先を知らせる役割があります。また、名刺はコミュニケーションや事業内容をアピールするツールとしても活躍します。そんな名刺はいつ頃から存在し、どのような種類があるのでしょうか。今回は名刺の役割と歴史、種類などについて詳しく解説していきます。

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名刺とはなにか

「名刺」は、名前や住所、連絡先などを印刷したクレジットカードほどの大きさの紙(主に91×55mm)です。名刺の主な役割は「自己紹介ツール」であり、初対面の相手に自分の名前や連絡先、所属などのプロフィール情報を伝えます。ごあいさつと同時に、話のきっかけづくりにも利用されます。名刺に載せた名前や連絡先以外の情報から話を広げ、相手と打ち解けるきっかけにもつながります。そのような役割の名刺はいつ頃誕生し、どのように発展して来たのでしょうか。

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名刺の起源

名刺の起源

名刺の起源には多くの説がありますが、一般的には中国が発祥とされています。そこからヨーロッパへ広がり、日本では江戸時代(19世紀はじめ)から使われるようになったと言われています。ここでは名刺の歴史や中国、日本、ヨーロッパなどでの使われ方を解説していきます。

中国における名刺の歴史

名刺発祥の地とされる中国では、三国時代の武将朱然の墓から名刺が発見されています。
朱然が没したのは248年。すでに紙は発明されていましたが、当時はまだ「竹簡(竹を割って文字を書けるようにしたもの)」も併用されており、朱然の墓から出てきた名刺も竹簡を使ってつくられていました。いつの頃からか、この“名前を書くために使用された竹簡”のことを「名刺」と呼ぶようになり、これが現代の紙製名刺の語源とされています。
「名刺」という言葉には、“名前を書いた刺”という意味があります。この「刺」とは、中国漢王朝の高祖劉邦(りゅうほう)が妻を迎える際に、妻の父親へのメッセージを書いた竹簡や木簡を“戸口に刺した”ことから、“相手に要件を伝えるための竹簡・木簡”を表す言葉として、使われるようになったといわれています。

ヨーロッパにおける名刺の歴史

ヨーロッパでは、16世紀ごろに不在の相手に要件を伝えるために置いた“メッセージカード”が、名刺の発端といわれています。イタリアに留学中のドイツの学生たちが使い始めたのがきっかけで、18世紀になるとヨーロッパ中に広まったと言われています。

名刺のメッセージについては下記に詳しく記載しております。
名刺に添える印象的な一言

日本における名刺の歴史

日本における名刺の歴史

日本で名刺が使われるようになったのは、中国やヨーロッパより遅く、19世紀はじめの江戸時代からです。江戸時代の日本の名刺は、ヨーロッパと同様、訪問先で相手が不在の時に置く“メッセージカード”で自分の訪問を相手に知らせるのが目的でした。
当時は和紙に墨で名前を書いたものでしたが、幕末に西洋の印刷技術が日本に伝わったことをきっかけに手書きから印刷されたものへと変化しました。当時は、名前の上に家紋を印刷した名刺が多かったようです。明治になり、鹿鳴館を中心に西洋諸国との関りが盛んになると、名刺は日本の社交界で重要なツールとして機能するようになりました。

自分をPR

名刺は、相手に自分自身を紹介するツールです。しっかりと覚えてもらい、相手からの再アプローチを促すには、顔写真・似顔絵などを使ってイメージに訴えることが重要です。例えば、写真に吹き出しをつけてセリフを入れるなどの工夫をこらすと、訴求力をアップできます。
また、企業を象徴する写真やイラストの活用は、会社のPRなどの情報発信にも活用できます。企業のイメージに合わせて活用できるものを用意しておくのもよいでしょう。

名刺の自己紹介については下記もお勧めです。
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名刺交換の役割

現在、名刺発祥の地である中国大陸では、日本ほど名刺が使われておらず、ビジネスマンでも名刺を持っていない人がいます。一方、シンガポールや香港のビジネスマンは、日常的に名刺交換を行っています。
しかし、海外ではもらった名刺を名刺入れの上に載せたり、相手よりも下から差し出したりするなどの“日本式マナー”を見かけることはありません。管理はオフィスのデスクに置かれている名刺ボックスに保管しておくのが一般的です。

名刺のマナーについては下記により詳しく記載しております。
正しい名刺交換の方法は?名刺受け渡し時のマナーをおさらい
名刺の渡し方を学ぶ

外国人にとって、日本人はとても名刺を大切にするという印象が強く、“サラリーマンはいつも名刺交換をしている”というステレオタイプが定着しているほどです。日本では、名刺交換からビジネスが始まると考えるのが一般的です。
では、名刺交換の必要性とは何でしょう。名刺交換の理由を3つ挙げました。

お互いに連絡をとりやすくする
名前や連絡先、所属情報を交換し、お互いに連絡をとりやすくする。これが名刺の基本的な役割、活用方法といえるでしょう。

名刺の基本的な記載内容については下記により詳しく記載しております。
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あいさつやコミュニケーションツールとして
名刺交換は、それ自体が初対面の相手に向けたあいさつとして機能し、名刺に載っているお互いの情報を知り、話題を見つけて会話につなげます。つまり名刺交換は、初対面の人同士が打ち解け合うツールとしても生かされています。

名刺の自己紹介については下記により詳しく記載しております。
ビジネスシーンの強い味方!上手に名刺で自己紹介

事業のPRツールとして
名刺には名前や連絡先だけではなく、会社の事業内容やその人が受け持つ仕事、活動などを載せられます。事業内容などを載せた名刺交換自体が宣伝活動となっています。オリジナリティの高い、印象に残る名刺は、次のビジネスチャンスをつくる可能性にもつながっていきます。

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世界の変わった名刺

世界の変わった名刺

現代の国際社会では、相手に必要以上に時間を消費させずに業務を遂行することは大切です。日本でも最近は、この“相手の時間を大切にする”礼儀の重要性は増しています。
世界には、限られた時間の中でより強い印象を残し、ユニークな名刺が存在しています。以下で紹介する名刺は、名刺交換の時間を楽しむ時間に変えかもしれません。

木製の名刺

木でつくられた名刺です。木に関わる仕事の方や、ユニークでシンプルな名刺をつくりたい方におすすめです。

レゴの名刺

ブロックのレゴでつくられた名刺です。小さいフィギュアの表面に、連絡先などが書かれたとてもユニークな名刺です。

Google名刺

Googleの検索画面と、そこで自分の名前を検索した結果を載せた名刺です。名刺を受け取った相手が、あとで検索してくれるかもしれませんね。

食べられる名刺

ひときわ強い印象を与えるのが、食べられる名刺です。クッキーやピーナッツの殻など、食べられる素材に情報を印刷した名刺です。形には残りませんが、強烈な印象が相手の記憶に残ることでしょう。

AR名刺

名刺にスマホやタブレットのカメラをかざして画面をのぞくと、名刺のなかから立体映像が浮き上がる名刺です。画面内に表示されたアイコンをタップすると、その人のSNSを閲覧することも可能です。

まとめ

名刺には長い歴史があり、使い方によっては自己紹介だけではなく、コミュニケーションや営業ツールとしても使えます。そのためには、名刺は使い方や目的、相手にどのような印象を残したいかを想定して、掲載内容やデザインを考えることが大切です。目的のイメージを明確にして、効果的な名刺づくりを検討してはいかがでしょうか。

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