名刺素材の選択から伝えるCSRへの意識力
ここでは名刺素材の選択により、CSRの意識を高める手法について解説します。
名刺に多く使われる紙は、木から作られています。紙に使われる木の生育には、10年以上の年月を必要とされ、紙の使用量の増大は多くの森林伐採につながります。
この森林伐採の削減は、環境破壊の防止を目指したリサイクルペーパーや、「非木材紙」の活用で実現できます。これらの再生紙は、環境保全だけでなく、世界の貧困解消に貢献し、産業創出の実現にも寄与できます。
名刺の紙原料の選び方一つで、環境への配慮と途上国支援を同時実現させることにつながります。
自社のCSRの経営理念と貢献を伝えられる、代表的な用紙をご紹介します。
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名刺から考える地球環境保護 ~今、私たちにできること
平和の折り紙から生まれた「平和おりひめ」
広島の平和記念公園内の「原爆の子の像」には、世界各国から毎年約1万羽、約10トンの折り鶴が寄せられています。この折り鶴を再生した再生紙が「平和おりひめ」です。
折り鶴から、白をベースにカラフルな小さな点をちりばめたやさしい紙ができ上がります。名刺やメンバーズカード、一筆箋などに使用されています。
バナナペーパー
「バナナペーパー」とは、これまでは廃棄されてきたバナナの茎から作られるリサイクル紙です。産地は、世界遺産「ヴィクトリアの滝」で有名な、アフリカ・サンビア国です。バナナペーパーは、日本ではじめて、「WFTO(世界フェアトレード機関)」からフェアトレード認定を受けたペーパーでもあります。
ザンビアは平均寿命が55歳で、貧困などにより森林の伐採や密猟が行われています。バナナペーパーの生産は、環境保全と産業復興、野生動物の保護の三つの効果を生み出します。
バナナペーパーでつくられた名刺には、「バナナマーク」が掲載され、商談時にも自社の環境への取り組み姿勢をアピールできます。
ぞうさんペーパー
「ぞうさんペーパー」は、スリランカのセイロンゾウの糞から生まれるリサイクルペーパーです。ゾウの糞を熱湯でゆで、殺菌し、植物繊維を取り出します。取り出された繊維に、スリランカの廃棄物の古紙をブレンドしてうまれる100%手づくりの再生紙です。
ふんわりした素朴な和紙風の風合いで、さまざまな色のペーパーが生まれています。凹凸が出る活版印刷とは、とても相性のいい紙です。
ぞうさんペーパーを素材とした名刺には、ぞうのロゴをつけることができます。子ども関連の商材を扱う企業や店舗、動物関連の業種には、コミュニケーションのきっかけとしても活用できる名刺になるでしょう。
竹紙
成長の早い竹は、放置すると旺盛な生命力で森林や里山の浸食につながります。また、土砂災害や土砂崩壊への影響も大きいため、適切な間伐が不可欠です。しかし、これまではコストの問題などから、間伐には困難が伴ってきました。
竹紙は、間伐のコスト問題を解決してうまれた、国産の間伐竹100%の紙です。この竹紙の普及は、災害防止と地域産業再生に大きな効果があると期待されています。
竹紙を使用した名刺の使用で、自然環境の保全、地域の防災対策、地方の産業創成に寄与し、自社のCSR活動が実践できます。