エシカルとは?フェアトレードやオーガニックとどう違う?
“エシカル”“フェアトレード”“オーガニック”といった言葉は、どれも「自然派」や「環境にやさしい」といったイメージがあります。しかし、具体的な意味や使い分けはよくわからない方も多いのではないでしょうか。エシカルとはどういう意味なのか、改めて確認しておきましょう。
エシカルは“倫理的”を意味する言葉
エシカルとは、英語で“倫理的”を意味する言葉です。倫理は、人が社会のなかで生きるうえでの道徳やモラル、道理のことですから、エシカルとは「社会通念上のモラルにかなっていること」といえるでしょう。
人は、日々多くの商品やサービスを利用しながら暮らしていますが、その商品やサービスが消費者に渡るまでには、さまざまな工程があります。例えば、印刷物であれば、原材料となる木材を育て、伐採し、紙が作られ、印刷所に運ばれ、加工されて商品が出来上がります。高い倫理観を持ってこれらの工程を行うことが“エシカル”です。具体的には、環境問題や労働環境問題、貧困問題、地域格差等への配慮があげられます。
つまり、開発途上国から継続的に適正価格で原料や製品を輸入する“フェアトレード”や、化学肥料や農薬を使わずに作物等を作る“オーガニック”も、エシカルの一部ということができるでしょう。エシカルとは、こうした活動を内包する考え方や立場を示すものです。
日本ではまだ浅いエシカルの歴史
1987年、イギリスで「Ethical Consumer(倫理的消費者)」という団体が設立されました。この団体が発行している同名の雑誌によって、“エシカル”や“エシカル消費”という言葉が広がっていったといわれています。さらに、1997年には、当時のイギリス首相がスピーチでエシカルについて触れています。これによって、より多くの人々にエシカルという言葉や考え方が知られることになりました。
一方、日本におけるエシカルの歴史は、それほど長くありません。「日本エシカル推進協議会」は、2014年に有志によって立ち上げられ、2017年に一般社団法人になっています。フェアトレードやオーガニックという考え方は以前からありましたが、エシカルについて広く知られるようになってきたのはここ数年のことだといえるでしょう。
エシカルな製品は認証マークでアピールできる
せっかくエシカルを意識した製品を作っても、それをアピールする手段がなければ消費者に伝えることができません。そこでおすすめなのが、エシカルに関する認証マークを付けることです。
2021年現在、“エシカル”を示すマークはありませんが、フェアトレードを示す「国際フェアトレード認証ラベル」や、森林保護に関するFSC認証など、エシカルな製品であることをアピールできる認証マークはたくさんあります。
こうしたマークは、自社で販売する製品だけでなく、名刺などにも付けることが可能です。
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