1.顔写真や似顔絵で印象づける
営業で何より大切なのは、自分を覚えてもらうことです。おすすめは名刺に自分の顔写真や似顔絵を載せて、記憶に残してもらうことです。顔写真や似顔絵入りの名刺は、顔と名前を同時に覚えてもらう利点があります。次回訪問のアポイントや再訪問時の会話をスムーズにすすめられる工夫にもなります。
好印象は顔がつくる
誰でも経験したことがあると思いますが、なれない場所で見知った顔を見つけるとなんとなく安心感を覚えます。何度も出会った人がいるだけで、緊張がほぐれます。これは1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイオンが広めた「ザイオンス効果」で、「接触回数が多いほど人への好感度が高まる」という心理によるもので、日本では「単純接触効果」と呼ばれます。直接会わなくても写真や似顔絵、SNSのアイコンなどで同じ効果があります。
訪問先に残す名刺に顔写真や似顔絵を載せれば、「ザイオンス効果」で自分への好印象を高められます。渡したとき、保存するとき、連絡するときなど、相手は名刺を見るたびに顔写真や似顔絵を目にして、自然と親しみを覚えてくれます。
効果的な顔写真・似顔絵
認知心理学では、顔の印象で「この人はやさしそう」「この人は有能そう」と性格や能力まで自動的に推測するといわれます。営業名刺に載せる写真は、そのことを意識して「どんなイメージを伝えたいか」を考えて選びましょう。写真や似顔絵は、視覚的インパクトを狙い「親しみ」を持ってほしいか「信頼感」を伝えたいか、「専門性を感じさせたい」かなどで、「明るい笑顔」か「仕事している」風景をいれるかなど、望む効果を決めて撮影しましょう。
写真より自由度の高い似顔絵では、特徴をどう強調するか、タッチはどのような感じかなど相談しながら描いてもらいましょう。たとえば、ユーモラスな感じで親しみを持たせるか、少し硬い表情にして、笑顔で渡す表情と印象のギャップを出してみるのもいいかもしれません。
音楽家や医師のような専門性のある職業なら、象徴する道具と似顔絵を合わせる、美容師なら、ヘアスタイルの違う似顔絵を何種類か用意して使い分けるなど、少し遊びの要素も入れると話題づくりに役立つでしょう。
顔写真・似顔絵掲載のデメリット
顔写真や似顔絵を名刺に掲載する一番のデメリットは、コストと時間がかかることです。写真も似顔絵も、最大限の効果を発揮させるにはカメラマンやイラストレーターに作成してもらい、カラー印刷で仕上げるのが望ましいでしょう。その分、製作コストはアップします。
もちろん、コストの削減のため自分で撮影した写真や「自作の似顔絵で……」と言葉をそえて話題にすることも可能です。
また、カラーが多い写真付き、似顔絵つき名刺をあえて一色刷りで作成するのも一つの方法です。モノクロやダークな一色を選び、大人っぽい雰囲気にする。原色づかいで個性を出すなど、クリエイター職なら攻めの選択も印象的でしょう。現代の営業名刺のトレンドは、複数の名刺を使い分ける傾向があります。