覚えておきたい名刺の基礎知識
まずは、名刺の起源やサイズなどの基礎知識について見てみましょう。
名刺の起源
名刺の起源は中国といわれています。7世紀、唐の時代の書物に記載があるほか、2000年近く前の三国時代の武将の墓からも現物が発見されています。
当時の名刺は対面して渡すのではなく、訪問先が不在の時に自分の身分や名前を書き、訪問を知らせる役目を持っていました。この名前を記入する札のことを「刺」と呼んでいたそうで、「名刺」という呼び名の由来になりました。
そして、日本で名刺が使われるようになったのは19世紀、江戸時代の頃です。和紙に墨で名前を手書きしたものを使用し、古代中国同様、訪問したことを知らせる用途に使っていました。
幕末以降、外国人と接する機会が増えるとともに用途も変化。現代のような挨拶としての役割に変化し、明治時代以降、少しずつ広まっていきました。
名刺のサイズ
現在使われている名刺でもっともよく見られるのは、名刺4号(大阪9号)と呼ばれる「55mm×91mm」サイズです。
ほかにも「51mm×89mm」の欧米サイズや「49mm×85mm」の名刺3号など、名刺はさまざまなサイズでつくることが可能ですが、分類や保管のしやすさなどから、どの業界でもほぼ「55mm×91mm」の大きさのものが使われています。
特殊な例では、2つ折りや3つ折りの名刺をつくる場合もあります。
名刺のサイズについては下記により詳しく記載しております。
一般的な名刺のサイズは、なぜ91×55mmなのか?
名刺用紙の厚さ
名刺用紙の紙の厚さにはさまざまな種類があり、「kg」という一般の方にはわかりにくい単位で表記されていることがほとんどです。
名刺でよく用いられる紙の厚さは180kg~225kg。180kgは普通のハガキの厚さ、225kgは厚めのポストカードとイメージするとわかりやすいでしょう。
名刺の厚さについては下記により詳しく記載しております。
印象を左右する、名刺の厚さ
海外の名刺事情
海外の名刺事情について目を向けて見ると、ビジネスの場で多く使われる点はほぼ同じですが、国により細かな違いがあります。日本同様の使い方をする韓国、握手とスモールトークから商談を開始し、連絡先が必要な場合に名刺を渡すアメリカ、外国人を相手にする場合に使用するドイツ・ロシアなど、国により使用するシーンは違います。
また、欧米では名刺を紙として認識しており、その場でメモとして使用し、書きこみをすることもマナー違反ではありません。
サイズに関しては日本の「51mm×91mm」に対し、韓国「50mm×90mm」、北米「51mm×89mm」、ヨーロッパ「55mm×85mm」といった具合です。
若干のサイズの違いはありますが、国が違っても名刺の大きさがほぼ同じ大きさである点も面白いですね。