特殊名刺

投稿日:2020年05月13日  更新日:2020年05月18日

特殊名刺

特殊名刺

名刺はデザインだけでなく、印刷や加工によっても印象が変わります。名刺印刷には、オフセット印刷やオンデマンド印刷、昔ながらの活版印刷などいくつかの印刷方法が用いられています。加工にも、箔押しや小口染めなどの加工のほか、3Dなど視覚に訴える加工も登場してきました。とくに近年は、デジタルデータ名刺の登場でAR技術を使った名刺が登場するなど、名刺の分野にも新しい進化が始まっています。さまざまな加工・印刷技術を駆使したリアルな名刺は、デジタル名刺では表現ができない趣きやインパクトがあります。さまざまな素材、加工によって、高級感を演出したりデザイン性を高めたりするなど、名刺の質のレベルアップにも関心が寄せられています。ここでは、名刺に採用できる代表的な特殊印刷や加工について新旧を織り交ぜて解説します。

活版名刺

活版名刺

活版印刷は「レタープレス」とも呼ばれ、活字を組み合わせた版をつくり、インキをのせて紙に転写する昔ながらの印刷技法です。独特の凹凸感とアナログな風合いに人気があります。史上初めて印刷が行われたのは中国といわれています。日本に現存する最古の印刷物は法隆寺の仏教経典「百万塔陀羅尼」で、称徳天皇が発願し770年ごろに完成したといわれています。日本に活字印刷が伝わったのは13世紀末といわれますが、漢字文化の中国や韓国、日本では活字の数が膨大になることから、活版印刷はあまり定着しませんでした。
一方、26文字しかないアルファベット圏のヨーロッパでは、1445年ごろにドイツのヨハネス・グーテンベルクが発明したといわれ聖書の印刷が始まりとされています。
活版印刷は長年にわたり改良が加えられ、印刷の中心であり続けました。鉛でできた活字をひとつずつ拾い、タコ糸やインテルと呼ばれる余白用の木片アイテムを文字の間に挟み、職人の目と感覚で文字間隔を調整する職人芸の熟練に美しさが成り立っていたのが活版印刷の特徴です。
完成した版を印刷機械にとりつけ、インクをつけたて紙に転写していく工程で生まれる、活版名刺ならではの凸凹感やにじみなどの風合いが深い味わいを感じさせます。活字に一定の圧力がかかり、凹凸の風合いが愛される活版印刷には、ある程度の厚みがある印刷用紙が適しています。

箔押し名刺

箔押し名刺

箔押しは「ホットスタンプ」とも呼ばれ、インクを使わない印刷技術で、箔フィルムを熱と圧力で転写する加工のことをいいます。箔押しといえばキラキラと輝く金色や銀色が定番ですが、ほかにもホログラム箔やレインボー箔、パール箔などさまざまな種類があります。赤・青・緑・黒といった基本の色のほか、コバルトブルーやエメラルド、ピンク、ブラウン、スカイブルーなど色の種類も豊富で、個性的な箔押しが楽しめます。同じ色でも、光すぎないよう適度な光沢を選び渋みを出すこともできます。また、箔押しで輝きを与えるだけでなく、紙に凹凸をつけ金属的な盛り上り感を演出し、豪華かつ繊細な表現ができるのも大きな魅力です。
一般的な箔押しでは、デザインから箔押しの版をつくり機械で圧力をかけますが、一枚一枚職人が手押しで加工する昔ながらの方法を採用している会社もあります。箔押しでは、細かい線やデザインの表現は難しいとされてきましたが、最近では版の精度も上がり、0.3pt の線や5pt の文字など、細かいデザインもきれいに加工できます。洗練された、高級感のある名刺をつくりたい人におすすめの加工方法といえるでしょう。

小口染め名刺

小口染め名刺

小口染めは「エッジカラー」や「エッジプリント」とも呼ばれ、紙の断面に着色する印刷技法です。表面・裏面のフチにもわずかに色が入り、名刺入れに納められても断面の色によって目を引く効果があります。0.3mm~1mmなど厚手の紙のほうが加工しやすく、相性がよいとされています。小口染め加工は機械で行う方法のほか、職人が一枚一枚手作業で塗っていく方法もあります。
使用できる色も赤口金や青口金、銀、赤、黄、緑、ピンク、オレンジなど多彩です。特色のカラーガイドからの指定が可能な加工会社もあります。
淡い色ほど紙の影響を受けやすく、濃い色ほどしっかりと表現されるのも特徴です。そのため、用紙と色の組み合わせによって、さまざまな仕上がりを楽しめます。イメージ通りの名刺に仕上げるには、多彩なサンプルを提供している加工会社を選ぶのも大切なポイントでしょう。
サイドエッジに色を入れ、スタイリッシュな印象をつくれる小口染め名刺は、ブランディングの一環として会社やショップ、商品のテーマカラーと連動させることも可能です。また、社員・スタッフ一人ひとりが異なる色の名刺を持ち、個性をアピールするのもよいでしょう。

3D名刺

3D名刺

3D名刺とは、「レンチキュラー印刷」という特殊印刷技術を用いた名刺です。「レンチキュラー」は、カマボコ型の凸レンズを並べシート状にした「レンチキュラーレンズ」を使い、特殊な視覚効果を与える印刷物のことです。光の屈折を利用することで奥行きのあるリアルな立体を表現でき、見る角度で異なる複数の画面を見せたり、アニメーションのように連続画像を見せたりできます。絵が切り替わったり、動いているように見える「動きの効果」を出す方法と、遠近感や奥行きを感じたり、飛び出しているように見えたりする「立体の効果」を出す方法などがあり、見え方のバリエーションもさまざまです。
また最近では、スマホゲームなどでおなじみのAR(拡張現実)技術を用いた名刺も登場し、3D名刺はますます進化しています。
名刺のデジタル化が進む一方、紙の名刺を手渡しする文化がまだ主流です。しかし、今後は新たな3D印刷技術の発明も進み、新しい名刺文化が開かれていくのではないでしょうか。
名刺に立体感を持たせる加工・印刷はほかにもさまざまあり、紙の上に特殊なUVインクを盛って硬化させる「UV盛り上げ」や、名刺に圧力をかけて凹凸を表現する「エンボス加工・デボス加工」、二つ折りの名刺を開くと名前や住所が飛び出すポップアップ名刺など、インパクトが大きい名刺でしょう。これらの加工を用いて、相手に驚きや感動を与える名刺をつくってみてはいかがでしょうか。

まとめ

名刺の印刷・加工には昔ながらの活版印刷、箔押しや小口染め、折り加工などさまざまな方法があります。シール加工を応用した名刺や、目が不自由な人に向けた点字の名刺などの作成も可能です。名刺の素材も多様化し、上質紙やコート紙、マット紙などよく見かけるタイプから、色紙や表面に細かな加工を施したもの、和紙、再生紙などさまざまです。このように素材と印刷・加工技術を組み合わせ、自社のオリジナル名刺をつくれます。
印刷・加工にはそれぞれに適した紙の種類があります。特殊印刷を扱う企業の多くは、ホームページで加工例を紹介しており、サンプルを取り寄せることができます。ぜひ一度、多くの印刷や加工方法を比較してみましょう。
「インパクト重視」「スタイリッシュに見せたい」「企業のカラーで統一したい」など、名刺の見せ方やコンセプトに合う最適な素材と印刷・加工の組み合わせで、自社の印象度をより高めるような名刺づくりを目指しましょう。

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