レイアウトの基本的ルール
情報を整理したあと、次に行うのはそれらの情報をわかりやすく配置すること、つまり、名刺のレイアウトです。「書体を統一する、文字をそろえる、メリハリをつける、余白や装飾の活用」などのルールがあり、それらにそって行えば、見やすい名刺を作成することが可能です。
要素の同じものはまとめる
まず大切なのは、掲載する情報を“まとめる”ことです。「名前と肩書き」、「住所と電話番号」、「URLとメールアドレス」など要素が近いものをまとめることで、受け取った相手が直感的に認識しやすくなります。
そしてそれらの情報を、「視線の流れにそって配置すること」も大切。横書き名刺の場合には、向かって左上から真ん中、右下へと視線が流れやすいため、社名は左上に、名前は名刺の中央付近に、住所や電話番号、メールアドレスなどは右下に配置すると見やすくなります。企業のロゴマークなどは、目に入りやすいよう上部に入れるのがおすすめです。
縦書き名刺の場合には向かって右上から真ん中、左下へと視線が流れやすく、社名は右上に、名前は名刺の中央付近に、住所や電話番号、メールアドレスなどは左下に配置すると見やすくなります。
書体は統一する
名刺作成においては、書体を統一することも大切です。各書体はそれぞれ文字の太さや字間が違うため、いろいろな書体を使うことで視認性が下がる可能性があるからです。もし書体を変える場合でも、名前と肩書き、住所と電話番号、URLなど、要素の近い項目同士の書体は統一しましょう。多くても、2種類までが適当でしょう。ただし、会社のロゴマークに使われる書体は除きます。
また書体は、種類によって与える印象が違います。たとえば、新聞で使われるようなゴシック体(線の太さが一定)や明朝体(縦と横で線の太さが違い、止め、払いなど強弱もある)などの書体は、見る人に堅実な印象を与えます。
それとは逆に、丸ゴシック体(ゴシック体の角に丸みを持たせた文字)やPOP体(店頭POPにみられるような書体)などやわらかい印象を与える書体もあります。インパクトを与える目的で珍しい書体を使うのもよいですが、あまりにも奇抜な書体はかえって印象が悪くなる可能性もあるため注意が必要です。
名刺の書体については下記に詳しく記載しております。
イメージを大きく左右する!? 名刺の書体
文字をそろえ、バランスをとる
名刺のレイアウトにおいては、文字をそろえることも大切です。「右揃え、中央揃え、左揃え」の3種類が基本です。パソコンで使用する文書作成ソフトなどでもこの3つが使われているため、イメージしやすいのではないでしょうか。項目ごとに文字をそろえることで、すっきりと見やすい名刺になります。
余白をとり、メリハリをつける
名前、社名、住所の順で文字の大きさにメリハリをつけることで、名刺の要素がさらに読みとりやすくなります。また、文字の大きさだけでなく、文字間や行間、周囲の余白の調整もレイアウトのバランスに大きく影響します。
けい線など装飾を活用することも
ロゴマークなどもない文字主体の名刺の場合、変化をつけるために住所の上などに「けい線」と呼ばれる線を入れることも。名刺の4隅に、デザイン性があるオブジェクトを置くことで変化をつけることも可能です。